新米食べて想う事  #新米 #朝日米 #備前飯盌

実りの秋も深まってまいりました

 

岡山県は別名「晴れの国」

岡山県のwebサイトです↓

http://8092-okayama.jp/harenokuni/index.html

年間を通じ、豊富な日照量と瀬戸内海沿岸地方独特の温暖な気候に加え、県内を流れる三本の一級河川(西から、吉井川・旭川・高梁川)よりもたらされる豊かな水と、それによって形成された肥沃な大地が岡山県を米どころとして繁栄させています

県南部には、主に朝日米を生産する広大な水田地帯が伸びやかに広がり、県の中北部では、アキタコマチやコシヒカリが作られる美しく手入れされた棚田が四季を彩ります

県web"『日本の棚田百選』に選ばれた久米南町の画像"より

15年ほど前だったかとおもいますが、県南部の溝手遺跡や岡山大学津島遺跡から出土した土器の胎土内より、稲のプラントオパールが発見され、縄文期にはすでに陸稲による稲作がおこなわれていたのでは?という学説が有力になり、古代より吉備地方が稲作王国だった事が窺われます

2019年・岡山県古代吉備文化財センター平井泰男さんの記事https://www.pref.okayama.jp/site/kodai/632621.html 

現在では秋田や新潟に置いてきぼりにされている感は否めませんが、県南部で主に生産されている朝日米は、コシヒカリの曾祖父なので、我々がよく知るコシヒカリを父に持つヒノヒカリや、お母さんに持つアキタコマチは朝日米の孫

そんな米王国に生産拠点を置く備前では、陶芸家が初窯を焚く時や窯を築き直した折の新しい窯で「馬(ひだりうま)」の字を飯茶盌の側面に刻んだ作品を制作し、近しい人達に配る習慣がありまして、これは「中風がつかない」とか「お金が逃げない」などの縁起物の一種ですが、本来「食い扶持に困らないように」が主題なのだろうと考ています

 

今年の新米は、父・昭和42年、現在の穂浪窯にて初窯の飯茶碗でいただきます

備前焼のご飯茶盌はご飯が糊みたいにくっ付かないから、ご飯をいただいた後少し残しておいて茶漬けにすれば洗う手間がいらぬほどGoodなアイテム

親族の曾祖母もこの手順で食べる派だったそうで、実家(庄屋さん)で獲れた朝日米を、お気に入りだった我が祖父の飯茶盌で食べ、普段通り家族に「ご馳走様」と言って手を合わせたまま亡くなったそうな

米農家に生まれ、百歳に手が届くまでに永らえ、お米に感謝して逝った曾祖母の逝き方は、米造りに従事し土地を愛して暮らしたすべての者が願う、生の全うの一つのかたちではなかろうか?と想うのです